「葬儀」とは、葬儀に参列された方のひとり一人が、身近な人の死という悲しい出来事をとおして、真実の教えに出遇うことによって、自分自身の在り方を根本的に 見つめ直すことです。身近な人の死は私たちの心をゆさぶり、今の日常が永遠に 続くかのように錯覚して暮らしている私たちに「やがて死んでいく身をどう引き受 けて生きていくのか!」と問いかけているのです。
しかし、私たちは「安らかにお眠りください」「ご冥福をお祈りします」という。ような表現で、亡き人に対して心を配ることが「葬儀」であるのだと思い違いして いるのではないでしょうか。大切なことは、亡き人から問われている『自分自身の 生き死に』の問題を念仏の教えに聞き開こうとする心です。
浄土真宗は、阿弥陀如来の誓願によりお浄土に往生させていただくとの信仰を持つ、往生即成仏の教えです。葬儀は単なるお別れの儀式ではなく、再び会うことを約束する儀式となります。したがって、出来るだけ浄土真宗にふさわしい儀式としたいものです。
まずは身近な肉親縁者へ連絡します。
その後、当院へ臨終勤行をご依頼ください。その際に葬儀の日程・式場もご相談ください。
お仏壇の扉は開けておいてください。お仏壇がない場合はご本尊(「南無阿弥陀 仏」のお名号か阿弥陀如来の絵像)をお懸けして下さい。お仏壇をきれいに清掃し、 お仏飯をあげ、お灯明をともし、香をたきます。お仏飯は普通の仏飯器に盛ってお 供えします。茶碗に盛って箸を立てることはしません。
●具足(おどうぐ)は三具足(花立・香炉・ローソク立)で、樒を一本お供えします。
●お仏壇にはお仏飯をお供えします。故人の常用の茶碗などには盛りません。またお茶・お水などもお供えしません。
●仏花は赤い色をさけます。樒や常緑樹でも構いません。
●お灯明(ローソク)をともし、お線香をお供えします。
●お仏壇の打敷・戸帳は銀色か、白色(白布で作っても よい)のものを掛けます。
臨終勤行で心得たいこと
●ご遺体は、お仏壇の正面をさけ北枕または西枕に安置します。ただし、部屋の都
合で出来ないときはこだわる必要はありません。
●ご遺体は清潔にして、白布でお顔を覆い、白衣を着用。白衣を左前にしたり、逆さ着にはしません。
●両手を胸元で合掌させ、念珠と門徒式章があればかけます。
●ご遺体の上に守り刀などの刃物類は置きません。
●ご遺体の枕元には、お茶・お水・お箸を立てた一膳飯・枕団子などは、供えません。
●部屋の掛軸や額などに白紙を貼ったり(紙封じ)、さかさ屏風などはしません。
●ご住職と相談して葬儀日程などを決めますが、故人の俗名、年齢(生年月日)、 逝去年月日、施主のお名前と続柄など正確に伝えましょう。
お通夜は、葬儀の前夜に家族・親族・知人が集まり、亡き人の死を悲しみ、有縁のものが共にわが身の上に諸行無常を味あわせていただく仏縁であります。ですから、僧侶の読経中だけがお通夜ではありません。
通夜勤行の流れ
読経→焼香→法話→挨拶
葬儀で心得たいこと
●ご本尊が写真やお花などで隠れないようにしましょう。
●死をけがれと考え、葬儀の後、清め の塩をまいたり、茶碗を割ったり、お棺を回したりしません。
●友引などの迷信にこだわらないようにしましょう。
●私たちは、命終わるとともにお浄土 へ往生させていただくのですから、死装束(手甲・脚絆・三角布・六文 銭など)を着せるなどの旅支度はまったく必要ないのです。念珠や門徒式 章などをいっしょに納棺します。
●お礼参拝は、収骨をして火葬場から直接お寺に参拝する場合と、日を改めてお寺にお参りする場合があります。
その他お通夜や葬儀に関しては、さまざまな迷信が数多くあります。『門徒も の知らず』とよく言いますが、その言葉 を受けて『ものこだわらず』と続くのが本当の意味です。浄土真宗の門徒は、こ ういう意味のない理由のない迷信的なも の、あるいは俗信的なものには一切こだわらないという事です。占い・まじ ない・祈祷・日の善し悪し等に頼らず 仏法を頼りとして、強く生きることが私 たちの宗派です。
地域の風習として、葬儀の後お寺にお参りいただく「礼参」というものがあります。
分骨について
ご希望の方は、分骨(おしゃりさん・のど仏)を本堂の阿弥陀様の下に納骨させていただいています。お金は頂いておりません。
*もし四十九日の間、お家で遺骨を管理できない方は、お寺でお預かりします。
家でする方法と、お寺でする方法(上げ法事)があります。
お寺でされる場合も、簡略というわけではありません。人数の多い少ないによっての差もありません。
法事をされる場合は事前にご希望日をおしらせください。
その年に年忌の法事が当たっている家には、前年の年末にハガキでお知らせをさせていただきますので、早めにご相談いただければ、ご希望に沿った日にお参りをさせていただくことができます。
往生された年の1年後の祥月命日を一周忌といい、さらにその翌年を三回忌(往生された年を1回として数えるため、2年後)といいます。
その後、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十五回忌、三十三回忌、五十回忌とお勤めし、以降は50年ごとにお勤めいたします。
年忌 | 死去年 | |
---|---|---|
1周忌 | 令和5年 | 2023年 |
3回忌 | 令和4年 | 2020年 |
7回忌 | 平成30年 | 2018年 |
13回忌 | 平成24年 | 2012年 |
17回忌 | 平成20年 | 2008年 |
25回忌 | 平成12年 | 2000年 |
33回忌 | 平成4年 | 1992年 |
50回忌 | 昭和50年 | 1975年 |
100回忌 | 大正14年 | 1925年 |